洗濯機の置き場は、次の3か所を測ってから機種を絞り込みます。1に防水パンの内寸、2に蛇口の高さと壁からの離隔、3に玄関から設置場所までの搬入経路です。本体の外形寸法だけを見て決めると、防水パンには載っても搬入経路の角を曲がれない、蛇口に本体上面が当たるといった失敗が起きます。先に測ってから、縦型・ドラム式・二槽式のどのタイプの、どの大きさが候補になるかを絞りましょう。

防水パンの内寸をまず測る

防水パン(防水フロアーとも呼びます)は、洗濯機が載る内寸で判断します。外寸ではなく内寸をメジャーで実測してください。同じ「640サイズ」と呼ばれるパンでも外寸表記と内寸には数cmの差があり、洗濯機側が要求する内寸の数値と混同すると測り間違えます。

縦型の大容量モデルでは、標準的な防水フロアーのサイズを外寸640×640mmとしたうえで、奥行内寸540mm以上、幅内寸590mm以上、さらに奥壁から前面内壁までの設置スペースの奥行600mm以上という3か所で収まるかどうかを確認する目安が示されています。洗濯機の脚部が深いタイプでは、別売のフロアーあて板が必要になる場合もあります。ドラム式洗濯乾燥機では、防水パンの内寸が幅58cm×奥行54cm以上あれば目安を満たします。数値には幅があるため、候補機種が決まったら型番の据付説明書の値を優先してください。

置き場に、洗濯機の上に衣類乾燥機を組み合わせて設置するための「ユニット台」を使う場合は必要な内寸が広がります。ユニット台の床置きモデルでは、幅内寸700〜740mm以上・奥行内寸600mm以上が必要になるという目安があり、具体的な数値は組み合わせる製品によって変わります。ユニット台を使う予定がある人は、候補製品の組み合わせ表でこの広い方の数値を確認しましょう。

防水パンの規格サイズを知っておく

防水パン(洗濯機パン)の規格には、外寸640×640mm・740×640mm・750×640mm・780×640mm・800×640mmなどがあります。同じ外寸640×640mm表記でも、型番によって実際に洗濯機が収まる有効内寸は581mmから609mm程度まで差があり、740×640mm表記でも有効内寸が709×609mm程度にとどまる例があります。パンの外寸表記だけで必要な内寸を満たせると判断せず、型番ごとの有効内寸で判断しましょう。

蛇口の高さと壁からのすき間を測る

防水パンに本体が収まっても、蛇口の位置が合わなければ設置できません。縦型・全自動洗濯機を設置する際は、蛇口下端と本体上面との距離を5cm以上、前方・上方の開放距離を50cm以上とる目安が示されています。背面や左右の壁からも、型番の据付説明書にある表の値以上に離す必要があり、すき間が狭いと壁との接触による異常音の原因になるとされています。排水ホースを通す側面は9〜10cm以上離す目安がありますが、必要な距離はメーカー・型番で異なります。

ドラム式洗濯乾燥機では、床面から給水ホースを含む蛇口の高さが設置の分かれ目になります。蛇口の高さが122cm以上なら壁ピタ水栓(水栓の位置が低く本体に当たる場合に使う水栓)は不要、104cm以上122cm未満は蛇口の位置により必要な場合があり、104cm未満は壁ピタ水栓が必須になります。可燃物(ストーブなど火気)からの離隔距離は、消防法の基準で上方20cm以上、排水ホースが通る側は10cm以上などが示されており、蛇口の高さと合わせて満たしているか見ておきましょう。

排水口の位置は、本体の後ろ・左側・右側・真下の4パターンで確認します。位置によっては別売の部品が必要になる場合があるため、防水パンの内寸と合わせて排水口の位置も型番の据付説明書で照合しましょう。

玄関から設置場所までの最狭部を測る

搬入経路は、建物の入り口、エレベーター、階段、玄関ドア、廊下の曲がり角、設置場所の入り口まで、一番狭い部分で決まります。ドラム式洗濯乾燥機では、経路の最狭部が本体幅+6cm以上あれば通常は搬入できるという目安や、手掛け部を含めた幅60cm程度を搬入経路の目安とする案内があります。縦型・二槽式についても、同様に手掛け部を含めた実際の持ち運び幅で経路の最狭部を確認してください。参考として、TW-127XP5Lは左右の手掛け部を含むボディ幅が600mmです。ES-12X2のボディ幅は596mmですが、手掛け部を含む値かどうかは分かりません。どちらも、外形寸法の640〜645mm前後の幅より一回り小さい値です。カタログに複数の「幅」が載っている場合は、どの幅がどの条件の値かを型番ごとに区別してください。

ドラム式洗濯乾燥機は2人以上で運ぶことが前提の重さになるため、廊下の曲がり角や玄関ドアのドアノブの出っ張りも合わせて確認しましょう。候補の型番と経路の実測値を控えておくと、販売店に搬入可否を判定してもらう際にそのまま使えます。

タイプ別の外形寸法の目安

同じ「洗濯機」でも、タイプによって置ける場所の条件が変わります。代表機種の実測値で比べると、次のような違いがあります。表の幅は、給排水ホースを含む値か公式の外形寸法かが型番によって異なるため、候補が決まったら本文の説明で基準を揃えて比べてください。

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タイプ別の外形寸法・防水パン・質量の目安
判断軸外形寸法(幅×奥行×高さ)防水パンの目安質量
縦型(コンパクト・洗濯専用/IAW-T502E)約555×525×920mmメーカー指定なし約31.0kg
縦型(大容量・洗濯専用/BW-X90P・NA-FA9K6等)約592〜608×635〜650×1,000〜1,071mm内寸奥行530〜540mm以上約39kg(BW-X90P)
ドラム式洗濯乾燥機約639〜645×719〜732×1,060〜1,120mm内寸奥行520〜540mm以上約80〜89kg
二槽式(PS-65AS2)約800×434×882mm規格パンの指定なし(別売トレーで水受けを追加可)約27kg

縦型は洗濯専用が中心。乾燥まで任せたいならドラム式を見る

一人暮らし向けのコンパクトな縦型では、アイリスオーヤマのIAW-T502E(洗濯・脱水容量5.0kg)が幅555×奥行525×高さ920mm、質量約31.0kgです。メーカーは防水パンの必要内寸を明記していません。奥行525mmは、縦型大容量モデル向けに示されている防水パンの奥行内寸540mm以上という基準と比べると15mmほどの差しかないため、余裕を見込みすぎず候補の防水パンで実測してから決めてください。

大容量帯では、日立のビートウォッシュBW-X90P(洗濯・脱水容量9kg)が幅608×奥行650×高さ1,000mm、質量約39kg、設置可能な防水パンは内寸奥行530mm以上です。BW-X90Pは乾燥機能を搭載していません。パナソニックの10〜8kgモデル群(NA-FA10K6・FA9K6・FA8K6)は総外形寸法が幅592×奥行635×高さ1,071mm(左右の手掛け部を含めた幅は558mm)で、こちらも「全自動洗濯機」に分類され、乾燥機能を搭載していません。乾燥まで機内で仕上げたい場合はどちらも対象外になるため、次のドラム式洗濯乾燥機を検討してください。

「洗濯乾燥機」と呼ばれるものは多くがドラム式です

「洗濯乾燥機」という呼び方は、現行の主要メーカーでは多くがドラム式を指します。パナソニックのNA-LX127FL(洗濯12kg・乾燥6kg)は、給排水ホースを含む本体寸法が幅639×奥行732×高さ1,060mm、対応防水フロアーは奥行内寸540mm以上です。東芝のTW-127XP5L(洗濯12kg・乾燥7kg)は総外形645×奥行720×高さ1,060mm、防水パンは奥行内寸520mm以上、シャープのES-12X2(洗濯12kg・乾燥6kg)は幅640mm(排水ホースを含む)×奥行719×高さ1,120mm(給水ホースを含む)、防水パンは内寸奥行540mm以上です。

同じ「洗濯12kg」でも、乾燥容量は6kgと7kgに分かれ、必要な防水パンの奥行も520mmから540mmまで機種で差があります。まとめ洗いした量をどこまで機内乾燥したいか、防水パンの実測値が何mmかの両方で候補を絞ってください。

二槽式は正方形の防水パンを前提にしない

二槽式は、洗い槽と脱水槽が横に並ぶため、他のタイプとは違う縦横比になります。日立のPS-65AS2(洗濯・脱水容量6.5kg)は幅800×奥行434×高さ882mm、質量約27kgです。幅800mmは防水パン規格の外寸表記800mmと近い値ですが、有効内寸同士を比較したものではありません。奥行は434mmと大きく浅く、正方形の防水パンにそのまま載せる設計ではありません。防水パンの規格サイズの指定は見当たらず、別売の「洗濯機用トレー」で水受けを追加できます。防水パンの規格に当てはめようとせず、設置面の水平と強度、トレーの要否を確認してください。

賃貸は防水パンと排水口の位置を先に確定させる

賃貸では、防水パンや排水口の位置をあとから変更しにくいことが多く、まず今ある防水パンの規格と排水口の位置を先に確定させます。そのうえで、玄関からの搬入経路、洗面所やキッチンとの位置関係、上下階への防振・防音の配慮が必要かどうかを確認してください。

契約前に交換や搬入経路の変更ができるか分からない場合は、管理会社や大家に防水パンの規格と排水口位置を確認してから機種を決めると、購入後に置けないという失敗を避けられます。

置き場の条件から機種タイプを判断する

置き場の実測値からタイプを絞り込む目安
判断軸判断の目安
防水パンの奥行内寸が530mm未満、または正方形の規格パン自体がない縦型(洗濯専用)は基準に届かないため、別売トレーで対応できる二槽式やコンパクトな縦型を個別に確認(乾燥まで機内で仕上げたい場合は次の行のドラム式条件もあわせて確認)
防水パンの奥行内寸が520mm以上あり、乾燥まで機内で仕上げたいドラム式洗濯乾燥機が候補(必要内寸は520〜540mm以上と機種で異なる)
防水パンの奥行内寸が530mm以上あり、乾燥機能は不要縦型(洗濯専用)も候補(必要内寸は530〜540mm以上と機種で異なる)
搬入経路の最狭部が候補機種のボディ幅(手掛け含む)に対して余裕が少ない候補機種のボディ幅・総外形幅を型番ごとに再確認(ドラム式は本体幅+6cm以上が目安)

実測してから選ぶのが向いている人

防水パンの内寸、蛇口の高さ、搬入経路の最狭部を先に測り、その数値と判断表を照らし合わせて縦型・ドラム式・二槽式のどれが候補になるかを絞れる人に向きます。候補が複数タイプに絞れたら、乾燥機能の要否や質量まで含めて型番を比較できます。

実測せずに選ぶのが向いていない人

外形寸法や口コミだけを見て、防水パンの内寸や搬入経路を測らずに機種を決めようとしている人には向きません。賃貸で防水パンの規格や排水口の位置をまだ確認できていない人も、契約前に管理会社へ確認してから選んでください。

洗濯機のサイズは、防水パンの内寸、蛇口とのすき間、搬入経路の3つを先に測ってから、タイプ別の外形寸法と照らし合わせると失敗しにくくなります。容量まで含めて選びたい人には洗濯機の容量と設置寸法の選び方、ドラム式か縦型かで迷っている人にはドラム式と縦型洗濯機の違いも判断材料になります。

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